現場との繋がり

先日,山形市立第七中学校を訪問しました.
この学校では参加型手法を用いた防災教育を実践しており,外部評価を頼まれていたのです.

アンケートの分析・考察結果をプリントにまとめてお渡しし,30分ほど説明させて頂きました.

 

現場の先生方とお話していると,あまりにも忙しすぎて,

 

「じっくり考えている暇がない」

 

というのがよく伝わってきます.

 

「『研究者の視点からちょっとレポートを分析・・・』なんて言ってる暇があったら,生徒指導せんかーい」

 

と突っ込みを受けそうな雰囲気も,非常によく分かります.

 

こういった現状を見ると,研究者と現場の繋がりがいかに重要なのかが分かります.

今日も,僕が説明している間,先生は「は〜なるほどね〜,そういう見方があるのか」と呟きながら,一生懸命話を聞いてくれました.おそらく,一つひとつの実践について十分に先行研究の論文や本を読んでいる時間などないのだと思います.そのへん,そういうのをまとめて分析の背景として説明するだけでも,随分新鮮に感じられるようです.

 

我々研究者は,先生方のように授業をする事ができません.その,暗黙知的な「教師の力量」には手が届きませんが,それを研究者の立場から見て,よりスキルアップするための手助けはできるかもしれません.

 

僕なんかはまだまだ大学教員としてぺーぺーなので現場の先生方に熱心に話を聞いて頂けることがもう恐縮で,「いや,そんな大した事じゃないんですが...」状態なんですが,それでも日々の研究活動が少しでも現場に生きればうれしいと感じます.

 

もっともっと現場との繋がりを大切にしていきたいなと思う一日でした.