猛獣のような父,ついに退職

写真から感じ取って頂けるかはわかりませんが,僕の父親は,猛獣のようです.

身体もごっつくて,むきむきしてます.

何せ,名前が猛獣の「猛」に「夫」と書いて「猛夫(タケオ)」ですから,そりゃもう相当な猛獣っぷりです.

 

昔はよく竹刀でどつかれた記憶があります(この猛獣のような父は剣道をやっていたので,家に沢山の竹刀があったわけです).

 

その猛獣のような父が,今年の3月で退職しました.

「猪突猛進」という言葉がぴったりなくらいドドドドっと働いていた父親です.そりゃストレスも沢山あったでしょうし,この2,3年は体調が悪くなって片耳が難聴になってしまったので,色々と大変だったと思います.

機嫌悪そうにしていることももちろんありました.

 

僕の反抗期や思春期なども重なり決してどんな時でも仲が良かったわけではありませんが,父親を見ていていつもすごいなと思っていたのは,「働く事」に対するマイナスな発言は一切しなかったことです.

 

仕事が嫌だ

働きたくない

会社に行きたくない

楽したい

 

そんな言葉は一切発しませんでしたし,態度にも見せませんでした.

 

むしろその逆で,「働くことって楽しいんだ」と子どもながらに感じる事が多々ありました.

 

父親は商社の世界で生きる人間.

僕は研究者の世界で生きる人間.

 

お互いのフィールドは全く異なりますが,それでも「働くことって楽しい」と思って何の違和感もなく職と向き合えたことは感謝している事の1つです.

 

そして今,高専出身の父親は大学の通信教育で勉強して新たな事業を展開しようとしています.

(細かい事はわかりませんが)帰省すると,いつもヘッドフォンをつけて勉強している姿は,なかか見ていて気持ちが良いものです.

 

「働く人の姿」は色々な人に影響を与えると思います.

それは,家族だけでなく,周りの人々に.

 

我々大人ががそれぞれの場所で働くことに生きがいを感じ,そしてそれが周りや若い世代に仕事の魅力として伝わっていく.そんなふうになればよいなと思います.