社会構成主義との戦い

昨日と本日は,日本教育工学会企画委員のお仕事で輪読会を行ってきました.輪読本は「あなたへの社会構成主義」by K.ガーゲン.この本を翻訳された京都教育大学の東村知子先生にお越しいただき,2日間みっちり議論を行いました.

10年程前から手にとってはあきらめをずっと繰り返してきたこの本.ここにきてようやく,この「主義」の意味がわかってきた気がします.やっぱり,理解がイマイチなところを皆であーだこーだ言いながら議論するのは大事ですね,しかも訳者の方がいるっていうのが大きい.

「社会構成主義に基づく教育方法」といったような記述を論文でみたり自分がいうたびに覚えた違和感.メタ理論と研究方法の間にあるギャップに関する謎が今回の輪読会で解けた気がします.

今日のブログのタイトルを「社会構成主義との戦い」にしたのは,この主義を理解したと自分では思っていないからです.むしろ,これからが理解に向けたスタートだなという気持ちを含意しています.

研究方法は参考書片手に格闘すれば短期間で何とかなる場合がありますが,メタ理論に関してはそうもいかないように思います,時間をかけて,じっくりとじっくり読み解く中で自分自身のメタ理論として落ち着いていく気がします.いつになるのかはわかりませんが,それがまた思慮深い研究者への道なのは,間違いないと確信しています.

諸々お仕事遅れていてすみません.めでたく思慮深い研究者への一歩を踏み出す事ができましたので,頑張って仕事しやす.